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田中貴金属グループが研究支援しているYONSEI大学校Lee Tae Yoon教授らの研究成果が「Advanced Materials」の表紙論文に選出されました(2015.06.02)

高導電性繊維で織られたウェアラブル超高感度圧力センサーを開発
手袋・衣服型センサーを使って無線ロボット操縦に成功、電子機器衣料技術を先取り

 延世(YONSEI)大学校Lee Tae Yoon教授らの研究チームは、銀ナノ粒子を用いて高性能な導電性繊維を開発したことを2015年2月に発表しました。衣類に縫い付けることで、装着の違和感無く容易なロボット操縦が可能になることを実証し、電子機器衣料という新たな分野の発展に貢献しました。今後はIoT、ヘルスケア、モーションセンシング分野など幅広く展開されることが期待されます。

 これまでに開発された導電性繊維は、高い電気性能と外部刺激に対する安定性を同時に確保することが困難でした。Lee教授らは繊維表面に柔軟性ポリマーと銀ナノ粒子の複合体を形成させ、周囲を被覆することにより高い電気特性(0.15Ωcm-1)と外部刺激に対する安定性を両立、得られた導電性繊維表面に柔軟性絶縁層を形成させることで超高感度圧力センサーとしました。開発されたセンサーは、高感度(0.21kPa-1)かつミリ秒単位の応答速度を備え、10,000回以上の使用に耐え得るほど高い安定性を示すことが明らかになりました。

 繊維状の超高感度圧力センサーは、それ自身を衣類へ縫い付けることで使用者が違和感なく使用できることが期待されます。Lee教授らは、手袋の4本指の先端に開発したセンサーを縫い付けたスマートグローブを開発し、4本の指の動きにより六脚走行ロボットの無線操縦を可能にしました。また衣服の前腕部分4箇所にセンサーを縫い付け、指で触れることによる無線操縦も達成しました。

 本技術は、これまでのアクセサリー形態とは異なる電子機器衣料という真のウェアラブル機器の技術的な突破口を提示したという観点でその波及効果は大きいと予想される。研究チームは、今後は各種ウェアラブル機器、疾病予防と治療、IoTなど多様な分野への応用が期待されると明らかにしました。

 本研究内容はその科学的成果が認められ、材料分野において世界最上位の学術誌であるAdvanced Materialsの表紙論文に選出されました。田中貴金属工業は、材料提供等の研究支援を今後も継続して行って参ります。

  1. Highly Conductive Fiber-Based Ultrasensitive Textile Pressure Sensor for Wearable Electronics